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純情な感情編  No1

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時は1990年代初頭・・・・・


あの熱かった夏も過ぎ 御堂筋の銀杏は黄色く色好き

人々の服装も肌を露出する部分が少なくなって来た頃・・・・・



ここ大阪はミナミの心斎橋・・・・

大阪でも若者が集まるオシャレなアーケードには2丁目劇場という

最近オープンしたばかりの吉本の劇場があり 

連日よしもとの人気お笑い芸人の出待ちをする

女子中学・高校生がごったがえしていました

そしてその2丁目劇場の4Fの美容室 


「アッシュ



水商売のお姉さん御用達のお店でした





「 ねぇ~~♪ikeちゃん☆トリートメントしていく~?

 お髪にお艶がでるわよ~??   」




鏡ごしに笑顔でお姉系の美容師の 

順ちゃんがikeママンに話かけてきます

青い瓶に入った液体をもって 短い髪にハンチング帽にピアス

一見 男前の順ちゃんのしぐさは 

やたらくねくねして常に小指は立っています




「 あっ やっちゃってください  」




ikeママンはガラス越しにこのビルの下の2丁目劇場から

人気お笑い芸人が早足でひっかけばしを疾走して行くのを

見ながら答えました


そして その芸人を夢中で追っかけてる

女子学生のここまで聞こえてくる奇声を

聞きながらそっと目を閉じました・・・・・












☆おまたせ☆

第3章 
 

( 純情な感情編 )


No1   忘れられない












目を閉じて耳をすませば・・・・・・


聞こえてくる あの海の音と潮の匂い・・・・


そして ・・・・ 彼の言葉と彼の匂い・・・・・




あの 絶望的なN君との出来事から

早 2ヶ月がたとうとしているのに

ikeママンは今だに彼から言われた言葉が

忘れられませんでした・・・・・・


2ヶ月もN君に会っていない 声も聞いていないというのに

N君の残像は一日中ikeママンの傍から離れませんでした

夜はさらに始末が悪くて

何時間も寝返りを打ってようやく眠りについたかと思うと

今度は夢にさいなまれました




バカげている・・・・



ikeママンは自分に腹が立ってきました

自分はいつまでも昔の事を引きずる人間ではないと思っていました





「 もう ガキのころとはちがうんや・・・・ 」





眉間にしわをよせ苦しそうなN君の顔・・・・・・

あの時の彼はたまらなく魅力的でした

熱い体に氷のような冷たい言葉・・・・・



なぜ 忘れられないんやろう?



答えのない問いかけでした

ikeママンが高校を中退し 彼の元を去ってから

今になって初めて聞いた彼の本音

しかし  彼は許してくれなかった

M子やK子が突然姿を消した自分を 

何事もなかったかのようにikeママンを許してくれたように

彼もそうしてくれると思っていました


でも考えてみれば・・・・・

世の中 そう都合良くは行かないのがあたりまえでした






彼には彼女がいるし・・・・・

私はホステス・・・・・

今さら どうしようもない・・・・

返って ああ 絶好宣言されたようなもので

よかった・・・・・






この2ヶ月何度そう自分に言い聞かせたでしょう?

ikeママンは近くに置いてあったファッション雑誌を手に取り

まだ暫くかかるであろうトリートメントされた髪に

電熱を当てられながら

極力 リラックスしようと心がけました







「 あれ~~~??

ikeちゃんやん! ひっさしぶり~♪  」








気がつくと 明るく  

アイラインバッチリのかわいい女の子が隣の席で

美容師にカールを頭に沢山つけられていました



「 ああ! あけみちゃん!これから ご出勤?   」




「 うん! ikeちゃんも?  」




「 うん♪  」



このあけみちゃんは ikeママンのお店 「ZIP 」 の間迎えの


キャバクラ  「 ジュリエット 」 の 

No1の人気キャバ嬢で

何ヶ月もミナミで働いていると 

アフターなんかで他の店でよくご一緒したり 立ち話しをしたり 

近くの同業者は自然と仲良くなるもんで

特にこのNo1を這っているあけみちゃんは

ここらへんの業界の情報通でした

逆にいうと あけみちゃんに何か話すと 

ここら辺界隈に知れ渡ることになります


あけみちゃんは 「Zip ]のマスターがお気に入りで

アフターにはよくウチの店を使ってくれるのでした




「 今日の同伴の客が着物が好きやねん 

  はぁ~~めんどくさ・・・・・・  」



あけみちゃんはタバコに火を付け 

前に置かれてるアイスコーヒーを啜った 



 

「 高くつくよね~♪   

 あっあたしもアイスコーヒーください 」



ikeママンは笑いながら今までの自分の思考を遮って

あけみちゃんとの会話に神経を集中しました



「 いいよね~♪

 ZIPは衣装もレンタルできるんでしょ~?

 おまけに同伴もないしね!

 こちとら オーナーがケチだから全部自前よ!

 くやしいから今日の客にはヴィトン買わしてやるの!  」




「 あははは すげ~~~!!  」



ikeママンはあけみちゃんの話しを楽しそうに聞きケラケラ笑いました

調子にのってきたあけみちゃんはさらに

マシンガントークに拍車をかけます



「 この間なんかさ オーナーに歯を治せっていわれて

 やったんだけど 80万よ!! 80万!!  」



そう言うとあけみちゃんはクルッとikeママンの方に

椅子ごと向いて大きく口をあけて見せてくれました

すると 今まで奥の数本は銀歯で笑うと目立つからイヤだ

と言っていた所がセラミックの真っ白な歯に変わっていました





「 んモウッ あけみちゃん!動かないで! 」




髪を巻いているオネエ系の順ちゃんが 

少しムッとしていいました

そして あいかわらず小指は立っています




「 うわ~ すっごく歯がキレイになったね~

 まっしろ~!!

でも高いね~ いいなぁ~♪   」



ikeママンは水商売の女の子は結構好きでした

お店のホステスさん達もこのあけみちゃんのように

よく 自分に投資しました 

立ち振る舞いのレッスン学校に通ってる子もいるし

エステに毎日のように通う子もいます

英会話を習ってる子

貯金を何百万も持ってる子

ブランドものを品良く見につけてる子などなど


一般の女の人からみたら あれ、どこか違うな  という

キレイで華やかさが彼女達にはありました

そういうikeママンも最近エステに通いだしたばっかりでした



ボーっとそんなことを考えていると 

またあけみちゃんの話しに引き戻されました



「 そういえばさ~~~!!

 もうすぐ だよね~♪

 「ZIP」のハロウィンパーティー☆  」




ikeママンはその言葉を聞いて一気に暗い気持ちになりました




「 あ~~・・・ そうだね~~  」




「 そうよ~~~♪ 

 その日は順もうちの子達全員連れていくからね~♪

 何着ていこうかしらぁ~?? 

 あ~超楽しみ~♪  」




あけみちゃんの髪を巻き終えた順ちゃんが 

霧ふきで液体を吹き付けならが

夢みる乙女のようにはしゃいでいました




「 ほんまやな~☆

  ここらへんで 「ZIP」

  ハロゥインに参加せえへんかったらもぐりやもんな~

  毎回規模が大きくてめっちゃ楽しいもん♪

  マスターにも会えるし♪

  ねぇ 今回誰かゲスト来るん?   」




あけみちゃんがわくわくしながらikeママンに聞きました



「 うん 関西から出た DJ yuki さんが来るねんて

 それに 「 ブーティ 」 からニューハーフのショータイムもあるよ

 うちのマスターが「ブーティ」のママと仲良いねん 」




「 きゃ~!! 「プーティ!! 」 

 「DJ yuki!! 」  」




もうその言葉を聴いただけで 

二人はおおはしゃぎでした

現代ほどではありませんが

この頃ちょうどヒップホップが流行りかけてた頃で

関西でも超人気のDJに

そして最近TVでひっぱりだこの

ミナミでは知らない人がいないというほどの


超人気ニューハーフ 

ショウーパブ 「ブーティ」


今でいうコラボショータイムがあるのでした

そう 毎年「ZIP」のハロウィンパーティは大規模なイベントで

集客率は年末のニューイヤーパーティより

すごいものになります

ですからこの時期はマスターもみんな準備に追われ

みんな 少なからず浮き足だっているのでした




「 キャー楽しみ♪

で  当日ikeちゃんは何するのぉ~~??  」




あけみちゃんの言葉にikeママンはため息をつきました

そうです 唯一このハロゥンパーティでikeママンは凹む

原因があるのです





「 それがね~~~・・・・ 」





ikeママンはジブジブ話し始めました

二人の目が輝いていたのは いうまでもありませんでした






「ポールダンス・・・・・ 」










「ポールダンスう~~??? 」



「ポールダンスう~~??? 」













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テーマ:自作恋愛連載小説 - ジャンル:小説・文学

11 : 17 : 35 | ikeママンの純情な感情編No1 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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