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GOD BROTHERS No42



~GOD BROTHERS~ 


NO42












南港のゴーカート乗り場のフェンスの裏には

夜霧に湿った 改造車の部品が山ほど詰まれていた

おそらく盗難車だろう




その 少し行った所に 四条連合のアジトがあった

スプレーペイントの走り書きの看板を抜けて

中に入ると 酸えた匂いと

タバコの煙が天井にモウモウと充満していた





その3階の 個室からは大きなどなり声がしていた











「 もういちど聞くぞ ルカ! 」










金田兄 ヒロシはルカの右頬を思いっきり殴りつけた







「 なぜ坂上ヨシノを犯さなかった! 

  

  この役立たず!

  せっかくの獲物を取り逃がすとは!


  おまけにお前が逃げたあと 

  飯田隼人が助けにきたそうやないかっ! 」








ルカは椅子に座り 殴られた頬を押さえ すすり泣いた

昔から 兄に怒られると 緊張してうまく話せなくなる








「  あ・・・・あいつらに さきに犯らせようとしたんだ・・・・



   その後 俺が犯るつもりだったんだ!



   本当だよ! 兄ちゃん                       」









子供のように泣きべそをかいている弟を見て

金田兄は少し安心した

弟のルカが自分の命令に背いたのは 初めてだったからだ


手下からの報告によると 

どうやら弟は 坂上ヨシノに好意をもったらしい











「 だが お前は俺の命令に背いた!

      しくじった!               」










ふたたび 反対の頬もはり倒す


ルカはふたたび 子犬が蹴り上げられたような

情けない声を張り上げた












・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








金田家は昔から由緒正しい家柄だった




しかし 

父親は仕事と愛人の付き合いに忙しく めったに家に

もどらなかった

そんな亭主に愛想をつかされた母親も

愛人を昼間家に連れ込む始末

まさに家庭は崩壊していた




そんな環境に育った金田兄 ヒロシは孤独の中にいた

そして 産まれた弟・・・・


ルカは3歳の保育検診で知恵遅れと診断された




母親は家政婦にこの二人をまかせ

両親は家を空けがちになり 離婚した 



そう原因はルカのせいだった


二人は母方の祖母に育てられたものの

長い時間二人で暮らすようになり 


幼い弟ルカにとって兄ヒロシの慈悲にすがるしかなかった

そう・・・ルカにとって兄ヒロシは神のような存在だった


ヒロシは小学生に上がる頃から

同じ学校の上級生からいじめにあっていた

毎日 毎日 下校時間になると 上級生に追いかけられる




「ヒロシ狩り 」






が流行っていた 


当時金持ちのヒロシの持ち物や服装が

庶民の上級生には気に入らなかったのだろう

捕まると殴る蹴るの暴行に加えて

身包みを剥がされてしまう

そんな日常からは誰も救ってくれなかった

そして いつものように下校のチャイムが鳴ったと同時に

逃げ惑っていたある日








事件は起こった











いつものように チャイムと同時に逃げるヒロシ

上級生達は猫がねずみを遊びながら追い詰めるように

ヒロシ狩りをはじめた





ヒロシは学校近くの空き地に

誰もいないのを確認してから土管の

中に隠れて息をひそめていた









はぁ・・・・はぁ・・・・・









自分の荒い息と爆発しそうなほどの心臓の音

このままどうか皆が帰るまで見つかりませんように









ジャリ ジャリ









靴音が近づいてくる


ぐいっと腕をつかまれ引きずり出された









「 ひろしみぃ~っけ ♪  」










一番タチの悪いヤツに捕まった

上級生の中でもリーダー核のヤツだった





もうだめだ 

自分はコイツにボコボコにされると覚悟を決めた時







ボコッ  









激しく湿った何かを打ちつけたような音がした

上級生は呻き 後頭部を抑えて 腹ばいに倒れ動かなくなった



訳がわからないままヒロシがキツク閉じた目を開けると

そこに ルカが立っていた







ルカは涙を流していた







そして片手にはバットを握り締めていた

なんと そのバットは沢山の釘が打ち付けてあり

血まみれになっていた







何が起こったか 理解するには数分かかった






そして ようやく理解したころに

倒れていた 上級生が呻き声をあげて動き出した





ルカとヒロシ・・・・・・・ 




この二人のなかで この兄弟にしかわからない

意思の疎通が行われた


しばらく二人とも見つめあったまま動かなかったが

やがて ヒロシがルカにこう言った










「  やれ !  」












ルカはコクンとうなずくと

上級生にとどめをさした








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








アジトの一室で裸電球が揺れる中

椅子にすわって泣いている 

ルカをみると ヒロシは少し安心した

最近のルカは反抗的だったからだ



あの時 ヒロシは一瞬でルカの才能に気付いた

暫くして

その上級生の死亡事故が新聞の記事に載った





しかし 

知恵遅れの普段はおとなしい 

特殊学級に通う ルカと殺人は誰が考えても

結びつかない








誰ひとりルカを疑わなかった










ひろしはルカの可能性に気付いた

そして 

凶器をバットの代わりに 

ナイフや木刀をルカに与え 

恐ろしく動物的なしなやかさを持つルカを飼いならしていった



自分を苛めたヤツを順番にかたっぱしから

ルカに痛めつけさせた









ルカは暗闇を好み 

足音もたてず背後からターゲットに近寄る

そしてなにより兄に従順だった











ヒロシはまさしく 自分だけの殺人鬼を育てるのに成功した








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14 : 11 : 00 | GOD BROTHERS No42 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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